【開催報告】関西食文化研究会第42回定例イベント テーマ『フードテック』 進化する食の技術を体験しよう!代替食品NOW
【開催報告】関西食文化研究会第42回定例イベント
テーマ『フードテック』 進化する食の技術を体験しよう!
代替食品NOW ~新技術と新素材の可能性に触れる一日~
【開催概要】
【日時】2025年8月3日(日)11:00~14:30
【会場】大阪ガスショールーム ハグミュージアム5階 「ハグホール」
【主催】関西食文化研究会
【後援】大阪ガス株式会社
【運営】関西ビジネスインフォメーション株式会社
【内容】
サスティナブルな視点と最先端のフードテックに基づいた食材・技術は、今やヴィーガンや健康志向市場にとどまらず、
レストラン・商品開発における新たな提案価値となっています。
今回の定例イベントでは、“味覚”や“食感”を実際に【学べる】【体験できる】コンテンツが満載
サスティナブルな調理法のヒントを求める料理人の方、次世代向けの製品開発を進めるご担当者さまにとって、
新たな「食の可能性」と出会える機会です!
8月3日(日)関西食文化研究会第42回定例イベント がハグホールにて開催されました。
今回のテーマは 『フードテック』
新しい技術、新しい食材。「新たな食の可能性」を探る、体験する!
万博開催イヤーでもある、2025年度。
世界的に注目されている、植物性素材・代替食品について、多角的な視点で講義・調理プレゼンテーションが行われました。
門上 武司氏 の開会の挨拶 から始まります。
プログラム1 講義
早嶋 諒氏(京都芸術大学/SCRUM VENTURES)が登壇されました。
代替食品の今 植物性タンパク と 培養肉
なぜ今、代替タンパクなのか?との背景と市場についての講演が行われました。
プラントベーストフードとして、肉や乳の代替として需要が高まる植物性タンパクは、
人口増加による食料需要の拡大により、将来はたんぱく源が足りなくなる「たんぱく質危機」への備えになると同時に、
畜産で生じる温暖化ガスの削減といった環境問題にも効果があります。
市場規模は拡大をしていますが、消費者への浸透は途上であるとのことでした。
消費者が試す機会を増やす必要性や、コスト面・安全性・技術面の評価が、普及促進における今後の課題であるとのことでした。
プログラム2 料理プレゼンテーション①
不二製油株式会社 齋藤 努さま
西洋料理:高山 仁志シェフ (風の沢 art&cuisine)が登壇されました。
不二製油さまの食の可能性を拡げる取組みとして、動物性の食品特有の満足感 を叶える技術 「MIRACORE®」 によって生まれた、植物性の風味素材 「MIRA-Dashi®」 の特徴やラインナップのご紹介をされました。
講演では、美味しさの追求について、日本の食の多様性に対応する必要性や満足感の具現化のために、油脂やタンパクなど
植物由来の素材を重ね合わせることで、動物性の味覚に近づける試みをされている、との開発秘話を伺うことが出来ました。
高山シェフのプレゼンテーションでは、「MIRA-Dashi®」を使用した2品の調理法と試食が提供されました。
シェフの調理の様子は、講師台中央のスクリーンでクローズアップされます。
●植物性アメリケーヌソースの冷製フェデリーニ
●とうもろこしのブランマンジェ ココナッツのブイヨンとヴィーガンいくら
高山シェフのお店では、実際に「MIRA-Dashi®」を使用されたメニューがあり、ヴィーガンメニューとしてだけではなく、
コレステロールフリーであるため、健康志向・食事制限がある方向けにも好評であるとのことでした。
コアメンバーによる質疑応答では、食べ慣れた動物性との対比による課題や代替食品というネーミングの工夫について、
また、日本の古来からの精進料理である「もどき」料理との親和性など、さまざまな考察がなされました。
プログラム3 料理プレゼンテーション②
ユキグニファクトリ―株式会社 加藤 真晴さま
日本料理:今川 岳シェフ(靱本町 がく)が登壇されました。
ユキグニファクトリーさまの 「キノコのお肉」 は、キノコを原材料とした代替肉です。
マイタケの繊維を生かして歯ごたえがしっかりとしており、お肉のような食感です。
食物繊維が豊富で、低脂質・低糖質のため健康増進・免疫機能向上が期待されます。
また、日本の食糧自給率の中でもキノコは高水準で保持されており、食べ方の工夫をすることで、より美味しく積極的に摂取をしてほしいとのお話がありました。
続いては、今川シェフが登壇され、調理プレゼンテーションが開始されました。
参加者の皆さまへ試食が提供されました。
●キノコのお肉と夏野菜のひろうす 精進出汁の椀
試食をされながら、シェフによる調理が進められました。
ひろうす には、キノコのお肉の芳醇な香りと肉感がしっかりと残っており、夏野菜の食感も加わり味の変化を楽しめる、
と参加の皆さまからは大変好評でした。
コアメンバーのシェフからのコメントにおいても、香りが高く色々な感覚が得られ五感で楽しめるといった好感と、
課題としては肉感のさらなる追求について討論がありました。
また今回のテーマであるフードテックは、将来の食糧危機への貢献や、コストを意識した量産のための工業化が
クローズアップされますが、
これは、料理人の極めるガストロノミーとは相反する側面もあります。
ガストロノミーと工業化の、双方が期待できるシナジーとしては、受け継いでいく未来・食の新しいステージを切り開くといった、
共に未来への準備を進める余地を持っている、との講話がありました。
持続可能な食の未来・受け継いでいく食の未来について、関西食文化研究会では今後も会員の皆さまとのさまざまな交流を図り、ネットワークを拡げ、活動をしていきます。
関西食文化研究会では、関西から食文化の未来を創り、「食」に対して様々なアプローチを試みています。
第42回定例ベントでは、すべての人が「また食べたい」と思う植物性食品を目指して食の課題に向き合いました。
プロの考えや手法により、代替食品の個性・特性を生かし、美味しく普及が出来るヒントがありました。
「関西の食」にかかわる人が関西を「食」で盛り上げようと職種や世代の垣根を越えて集っています。
交流を大きな柱に据え、さまざまなプログラムを実施しています。
詳細はこちら
ハグミュージアムは「食」をとして、様々な用途にご利用いただける施設をご用意しております。
■調理を伴うコンテストやセミナー会場として
■イベント・展示会の会場として
■新製品発表会の会場として
■社内の勉強会・研修会場として
■各種機器を使用した試作・メニュー開発の場として など
お客さまのご要望に可能な限りお応えしてまいります。
是非お気軽にご相談ください!
日 時 | 2025年8月3日(日)11:00~14:30 |
---|---|
場 所 | 大阪ガスショールーム ハグミュージアム 5階「ハグホール」 |
所要時間 | 3時間30分 |