導入機器
グランメゾンとはフレンチで最高位のレストランを指す称号です。最高の料理を最高の空間とサービスで味わう。「ラ・ベカス」はその名に相応しく100坪に34席余りのゆとり。随所に配された現代絵画や彫刻の作品とモダンな内装があいまって格調ある雰囲気を漂わせます。厨房をはじめ空間全体が緻密に考えられ設えられているからこそ、渋谷さまの感性が生きる。その緻密さと感性のバランスが絶妙な関係は、供される料理にも通じます。
厨房はホールに隣接した独立型。約19坪に渋谷さまの理想とするかたちが実現されています。ステンレスが覆う天井は、ドイツの「ヴィンボック換気システム」。暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する、自然の法則を応用した置換空調で知られる装置です。それに大阪ガスの「涼厨」を組み合わせ、集中排気と低輻射を実現。厨房内に熱がこもらず、空調効果も上がり、働きやすい厨房になっています。レンジやシンクの台もステンレスで備え付けられた特注品。台の継ぎ目に隙間がでないよう処理されており、足下は台が床から数センチ底上げされ、床の水洗いも容易。掃除しやすいから、整頓され、汚れもない厨房全体には常に緊張感があるのでした。
厨房の中心は、熱源が集中され、調理台と一体になったセンターテーブルです。ガスコンロが6口、ヒートトップ付きガスレンジが2台、4台ずつ横並びでテーブルの両側から使えるように並びます。ガスオーブンの内部はひとつながりになっていて、どちらの扉からでも出し入れ可能。また、口径30センチ2つ分の大皿でも調理できるそうです。厨房では、渋谷さまはセンターテーブルの片側に陣取ります。34席余りのランチとディナーの料理を、スタッフとともに作り上げていきます。基本的にどの料理も盛り付けまで渋谷さまが行なうのだそうです。「コース料理の場合は流れが大切」というように、一連の流れが見事につながる厨房です。
ヒートトップ付きガスレンジ
ガスコンベクションオーブン
6口のガスコンロ
ガススチームコンベクションオーブン
フランス料理「La Becasse(ラ・ベカス)」
2010年(取材時)、20年目を迎える。オフィスビル1階の内部に設えられたグランメゾンとして知られ、「ラ・べガス」のフランス料理を味わうために全国から人が訪れる。