脱炭素と廃棄物削減を同時に実現!自社施設で進めるバイオマス地産地消

脱炭素と廃棄物削減を同時に実現!自社施設で進めるバイオマス地産地消

2026.03.25 公開

企業が脱炭素化を進めるとき、取り組みの安定性や持続可能性は、経営的な視点からも重要なポイントとなります。有効な手段として太陽光発電など再生可能エネルギーの利用が進んでいますが、なかでも注目したいのがバイオマスの地産地消です。本コラムでは、循環型の再エネとして活用の可能性が広がるバイオマスのオンサイト利用について、企業ができる取り組みやメリットを紹介します。

1. バイオマスとは?その導入背景と課題

バイオマスとは?その導入背景と課題

バイオマスとは、生物を表す「バイオ(bio)」と量を表す「マス(mass)」を組み合わせた言葉で、エネルギー源として利用できる生物由来の資源のことを指します。木材、稲わらなどの農業残渣、食品廃棄物、家畜のふん尿、下水汚泥などが代表例で、燃焼や発酵によってエネルギー利用しやすい形態に変化させ、熱や電力として利用されます。バイオマスは再生可能エネルギーのひとつに位置づけられ、脱炭素社会の実現に向けた選択肢として世界規模で活用が進んでいます。

日本では、2012年に創設された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」の政策効果によって、大型バイオマス発電を中心に導入が進みました。再エネ電源としては2024年12月時点で国が掲げる2030年目標を超える導入を実現していますが、一方で、大規模事業化には陰りが見えています。また、FIT制度の支援は20年で終了するため、その後の事業継続のための仕組みづくりが急務となっています。

バイオマスは、太陽光や風力とは異なり、燃料調達を必要とする点に大きな特徴があります。輸送費や人件費が発生するため、他の再エネよりもエネルギーコストが割高になってしまう傾向があります。加えて、燃料の多くを輸入に依存しているため、為替変動や国際情勢に左右されやすいだけでなく、近年は燃料の需給がひっ迫していて不安定であることも課題に挙げられます。

こうした課題を背景に、あらためて注目されているのが、地産地消型のバイオマス活用という考え方です。

(参照)
「バイオマス燃料」知っておきたい基礎知識(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
今後の再生可能エネルギー政策について(資源エネルギー庁)

2. なぜ今、バイオマス地産地消が注目されているのか?―小規模・分散型モデルの可能性

バイオマスの地産地消とは、広く薄く各地域に存在するバイオマスを、その特色を生かしながら活用し、エネルギーを自給・循環させるモデルのことを指します。

国は「バイオマス活用推進基本計画」を掲げ、2022年に策定した第3次計画では、バイオマスの年間算出量の約80%を利用することを目標に定めています。なかでも利用を伸ばそうとしているのが、下水、食品廃棄物、農産物の非食用部などです。また、食料分野に目を向けると、2021年策定の「みどりの食料システム戦略」においても、バイオマスエネルギーの利用推進や輸入依存からの脱却を目指す方向性が示されています。

バイオマス活用には収集・輸送プロセスが生じるため、地産地消によって分散的に活用することにより、調達コストを軽減できるのがメリットのひとつです。企業の場合、自社の工場などで発生するバイオマスをエネルギー源としてオンサイト利用することがまさに“地産地消”であり、脱炭素化と同時に廃棄物削減や資源循環を実現できる有効な選択肢となりつつあります。

さらに、技術の進歩も追い風となっています。従来は、食品廃棄物などのバイオマスをエネルギーとして利用し経済性を担保するには、大量の原料が必要でした。しかし近年、技術開発が進み、廃棄量の少ない中小規模の工場に対応できる設備やソリューションが増えてきました。一定量のバイオマスが安定的に発生する工場を持つ中小企業にとっては、エネルギー利用の効率化やコスト管理の面で大きな魅力といえるでしょう。

(参照)
バイオマス活用推進基本計画の変更について(農林水産省)
みどりの食料システム戦略(農林水産省)

3. どんな施設でバイオマスが導入できる?

どんな施設でバイオマスが導入できる?

バイオマスのオンサイト利用は、特定の業種に限られたものではありません。導入を検討しやすい施設・活用方法の一例をご紹介します。

食品加工工場

製造過程で排出される食品残渣や生ごみをバイオガスの原料として活用できます。安定的に有機性廃棄物が発生するため、供給の見通しが立てやすくなります。


飲料製造工場

製造過程で排出される茶かすやコーヒーかすなどを燃焼させ、その際に発生する熱を利用することが可能です。熱需要が大きい工場ほどエネルギー効率の向上が期待できます。

導入事例:和歌山ノーキョー食品工業株式会社 海南工場さま(大阪ガス・Daigasエナジー)


畜産関連工場

家畜のふん尿を発酵させてメタンガスを生成し、発電や熱源として利用するバイオガス化が有効です。エネルギー創出と廃棄物処理を同時に実現できます。


製材・木工工場

木くずや残材をバイオマスボイラーの燃料として活用できます。燃料の品質が比較的安定しているため、既存設備との親和性が高い点もメリットです。


商業施設

飲食・食物飯店舗から排出される食品廃棄物を処理してバイオガスを生成し、燃料として活用できます。施設の省エネ化やフードロス対策にも有効です。

導入事例:イオンモール株式会社イオンモール豊川さま(大阪ガス・Daigasエナジー)


このように、自社施設内で発生する廃棄物や副産物に目を向け、資源としてとらえることで、バイオマス導入による可能性は大きく広がります。

4. Daigasエナジーの「D-Bio」で実現するオンサイト地産地消利用

バイオマスの自家利用を進める上で、多くの企業にとって課題となるのが、初期投資と運用の難しさです。設備導入にかかる負担や、運転・管理に対する不安から、二の足を踏んでしまうケースも少なくありません。

Daigasエナジーの「D-Bio」は、こうした課題を解決し、CO₂排出削減と廃棄物の有効利用を実現するオンサイト型バイオマスソリューションです。食品残渣からバイオガスを発生させ、蒸気回収やコージェネレーションのための燃料として活用する「D-Bioメタン」、茶かすなどをバイオマス燃料として燃焼させ、蒸気を回収する「D-Bio Steam」の2種類があり、お客さまの施設のエネルギー需要や廃棄物の特性に応じた導入が可能です。初期費用不要で導入できることも大きなメリットで、エネルギー利用の効率化を図りながら、安定した運用を目指すことができます。

D-Bioによるバイオマスをエネルギーとして有効利用するまでの流れ

5. まとめ:バイオマス地産地消がもたらす持続可能な施設運営の第一歩

バイオマス地産地消がもたらす持続可能な施設運営の第一歩

バイオマスの地産地消は、自社にある資源を生かして、CO₂排出削減、廃棄物処理費の削減、エネルギーコストの抑制といったさまざまな課題を解決に導くことが期待でき、持続可能な経営に向けた大きな一手となります。自社に合った方法で無理なく進められるよう、まずは廃棄物やエネルギーの使い方を見直し、次のアクションを検討してみてはいかがでしょうか。廃棄物の有効利用やエネルギーコスト改善に関心のある方は、ぜひDaigasエナジーにお問い合わせください。

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