食品残渣をエネルギーに!オンサイト型バイオガス化システム「D-Bioメタン」でサスティナブルな工場を実現

冷凍食品を主軸とした加工食品の製造・販売を行っているニチレイフーズさま。24年連続売上No.1(※1)年間売上高150億円を超える人気商品「本格炒め炒飯®」をはじめ、冷凍調理からあげ市場売上No.1(※2)の「特から®」、発売30年以上を迎えた「今川焼」などの家庭用冷凍食品やお惣菜や外食店のメニューとして使用される業務用冷凍食品などを取り扱う、冷凍食品業界のリーディングカンパニーです。ニチレイグループとしてサスティナビリティ基本方針を定め、持続可能な社会の実現に向けて取り組みを進められています。その取り組みの一環として、食品残渣をエネルギーに変換するオンサイト型バイオガス化システム「D-Bioメタン」を、関西工場に導入されました。今回は、導入の経緯やその成果などについて、生産統括部技術戦略部 装置開発グループ 窪田 頌太郎さま、関西工場 技術グループ マネージャー 平山 卓さまにお話を伺いました。
※1 インテージSRI+冷凍調理炒飯市場2017年3月〜2025年2月 各年累計販売金額
インテージSRI冷凍調理炒飯市場2001年3月〜2017年2月 各年累計販売金額
※2 インテージSRI+冷凍調理からあげ市場(2020年4月〜2025年3月)累計販売金額
D-Bioメタン導入によるメリット
- 食品残渣からメタンガスを発生させて燃料として活用し、年間約40トンのCO2排出量を削減見込み
- 工場で発生する動植物性残渣を20%程度削減見込み
- バイオガス化の過程で排水放流水を活用することで水の循環利用を実現
導入前の課題
循環型社会の実現を目指し、食品残渣からのエネルギー化を検討
導入をご検討いただいた背景について教えてください。
ニチレイグループでは、長期経営目標「2030年の姿」実現に向けた5つのグループ重要事項(マテリアリティ)の中に、「持続可能な食の調達と循環型社会の実現」および「気候変動への取り組み」を掲げています。また、重要事項それぞれの2030年のありたい姿に、「サーキュラーエコノミーの実現」および「長期CO2排出量目標」を設定しています。
ニチレイフーズにおいても、食品会社として生産に伴って発生する食品残渣の削減は重要な課題と認識しています。まずは工場でできる限り食品残渣を減らした上で、飼料や肥料として再利用してきましたが、それでもリサイクルできないものをどうするかが課題でした。もっと有効活用できないかと考えていたところ、DaigasエナジーさんからD-Bioメタンを提案いただきました。
D-Bioメタンでは、食品残渣をエネルギーに変えることができるため、今まで再利用が難しいと思っていた食品残渣に対するアプローチとして有効だと考えました。また、エネルギーの有効活用により CO2の削減にもつながりますし、食品残渣をエネルギーに変える過程で排水を再利用することにより、水資源の削減にも貢献できます。食品残渣、CO2排出量、水資源の削減が同時に実現できる点で、総合的に当社の取り組みに合致する提案であったため、関西工場への導入に向けて検討を進めました。
導入時の検討内容
現場に負担をかけない作業オペレーションや水資源の有効利用を検討
関西工場での導入時の検討内容について教えてください。
関西工場では、サスティナビリティやカーボンニュートラル化など環境に配慮した生産工場を目指しており、特に食品残渣の削減や再利用については有効な方法を模索していました。
今まではリサイクルが難しい食品残渣もありましたが、D-Bioメタンの導入により、工場内でリサイクルすることができるようになり助かっています。
D-Bioメタンへ食品残渣を投入する作業については、現場の従業員にできるだけ負担をかけないようにしたいと考えていました。関西工場では食品残渣をドラム缶で管理していますが、その運用に合わせ、ドラム缶から直接D-Bioメタンへ投入できる「ドラム缶反転機」を開発してもらいました。この機械にドラム缶をセットしてボタンを押すだけで、食品残渣の投入作業が完了します。作業工程さえ覚えれば食品残渣をこぼすことなく誰でも簡単に作業ができ、作業負担も軽減することができました。
また、D-Bioメタンでは食品残渣の発酵を促進する際に水が必要となります。この水に工場から出る排水を再利用できないかと考え、相談させていただきました。前例はないとのことでしたがスピーディーに検討していただき、排水処理設備で処理した後の排水放流水を使用できることになりました。これにより、水を循環利用した環境にやさしいシステムを実現できました。
導入後の効果
関西工場の動植物性残渣を20%程度削減見込み
CO2排出量も削減でき、サスティナビリティ実現に貢献
導入による成果を教えてください。
D-Bioメタンでは製造工程で発生する食品残渣からエネルギーを発生させて、それを蒸気に変えて製造工程で使用しています。また、食品残渣を発酵させる際に使用する水には、前述のとおり工場から出る排水を利用しており、水資源の循環利用も実現しています。このような食品残渣や水の再利用、エネルギー活用のサイクルが、工場内で完結している点が画期的なシステムだと感じています。

D-Bioメタンの導入により、関西工場で発生する動植物性残渣を20%程度削減できる見込みです。さらに製造したバイオガスを使って作り出したカーボンニュートラルな蒸気を工場内で活用することで年間約40トンのCO2削減効果を見込んでいます。これも当社が掲げるサスティナビリティの実現に大きく貢献していくと期待しています。
また、現場の従業員からは、食品残渣が溜まったらすぐに処理できる点がいいとの声もありました。今までは産業廃棄物の回収まで置いておく必要がありましたが、D-Bioメタンに投入すれば工場内で処理できるため、衛生面も向上したと感じています。
導入の決め手
要望に応える提案力と、アフターフォローやメンテナンス対応の安心感が決め手
Daigasエナジーにご依頼いただいた理由や導入の決め手を教えてください。
D-Bioメタンの導入先については、設備の設置スペースがあったこと、食品残渣の種類がD-Bioメタンに適合していたことから、関西工場への導入を決めました。具体的な仕様を検討していく中で、前述の水の再利用や現場に負担をかけないオペレーションなど、当社から様々な要望をお伝えしましたが、その一つ一つに真摯に対応いただきました。臭気や運転音についても懸念していましたが、臭気評価試験を実施したり、実際に稼働している現場を見学させてもらったことで、不安を払拭できました。
また、設備の管理やメンテナンスの対応がしっかりしているという点は安心感がありました。D-Bioメタンの稼働を開始して間もないためトラブルが起こることもありますし、生産する製品が変わっていくので処理できる食品残渣の幅も広げていきたいと考えています。最適な運用を作るために、試行錯誤しながら二人三脚で取り組んでいただいているので助かっています。
今後の展望
パートナーとして食品残渣・CO2削減の取り組みの伴走を期待
今後の展望や、Daigasエナジーに期待することを教えてください。
さらなる食品残渣やCO2の削減に向けて、Daigasエナジーさんとの現在の取り組みも継続しながら、今後も新たな取り組みを模索していきたいと考えています。D-Bioメタンの適用条件に当てはまる工場があれば、今回の関西工場の実績を展開することも検討し、ニチレイグループ全体として推進していきたいです。
また、D-Bioメタンに限らず、引き続き食品残渣の削減や省エネの提案を頂きたいですし、将来的なガスのメタネーションにも期待しています。Daigasエナジーさんには課題に共に取り組むパートナーとして、今後もサポートをお願いしたいと思います。

担当者からひと言

今回の関西工場さまへのD-Bioメタンの導入では、処理したい食品残渣やオペレーションについてお客さまから頂いたご要望を元に、当社の技術部隊とテストを重ねながら検討を進めました。
D-Bioメタンへの食品残渣の投入作業については、従業員の方にできるだけ労力をかけないよう、従来のドラム缶を使った廃棄物管理に合わせたオペレーションを考えました。お客さまから様々なご意見やご要望をいただけたからこそ、関西工場さまに合った運用を作り上げることができたと感謝しています。
稼働を開始したばかりでまだ改善すべき課題もありますし、工場で生産する製品も変わるためそれに対応していく必要があります。D-Bioメタンの効果を最大化できるよう、引き続きお客さまとご相談しながら最適な運用を作り上げていきたいと思います。
法人第1営業部 石田 明宏
お客さまのご紹介
株式会社ニチレイフーズ 関西工場さま

株式会社ニチレイフーズは、日本における冷凍食品のフロンティアカンパニー。創業以来、研究開発・調達・生産・販売・物流の能力をフルに活用し、安全で価値ある商品をお客様にお届けしている。
淀川と天王山に囲まれた高槻市上牧にある関西工場は、1969年に日本で最初の冷凍食品自動化専門工場として操業を開始。敷地面積は約3万8千平方メートルで国内の主力工場の一つと位置付けられており、1日あたり120tもの生産量を誇る。高い加工技術で、ハンバーグ、からあげなど高品質な冷凍食品を生産しており、また、家庭用製品にとどまらずホテル、レストラン、学校給食等の業務用製品でも幅広く様々なニーズにお応えしている。
- 所在地
- 大阪府高槻市東上牧1-2-5
- お客さまホームページ
- https://www.nichireifoods.co.jp/
※掲載の情報は取材当時(2025年10月)のものです。
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