株式会社第一食品 本社工場さま

初期投資ゼロのエネルギーサービスで新工場のユーティリティ設備
一式を導入
安定した排水処理、臭気の拡散防止、BCP強化を実現

株式会社第一食品 本社工場さま

株式会社第一食品さまは、セントラルキッチンで調理したお食事を食器に盛り付け、トレイメイクした状態でお客様のもとへ配送するサービス「完全院外調理システム」を中心に給食サービスを展開し、徹底した衛生管理で、お客様に安心・安全なお食事を提供しています。病院や福祉施設からの院外調理のニーズの高まりに応えるべく、2020年10月に新工場を建設されました。その際、用水・排水処理設備、コージェネレーション、空調設備、蒸気ボイラのユーティリティ設備一式を、エネルギーサービスを活用して導入いただきました。今回は、導入の経緯や導入後に感じられた成果などについて、代表取締役社長の小宮 仁さまにお話を伺いました。

導入によるメリット

  • 密閉型の排水処理設備により「負荷変動に対応できる排水処理」と「臭気の拡散防止」を実現
  • 上水(水道水)と工水(工業用水)の2元化と停電対応コージェネレーションによりBCPを強化
  • エネルギーサービスにより初期投資を抑制し、設備稼働に応じてコストを平準化

導入の背景

適正かつ安定的な排水処理と、近隣に配慮した臭気対策が課題

導入をご検討いただいた背景について教えてください。

今までの工場では、排水処理における水質や臭いといった課題を抱えており、近隣の住民の皆様のご理解をいただきながら当社としても非常に苦労を重ねてきたという経緯があります。そのため、新工場を建設するにあたっては排水処理の課題をしっかりとクリアしたいと考えました。そこで、「管理・メンテナンスもすべてお任せできる」という点を重視しながら、排水の適正な処理と臭気対策に対してお力添えいただける企業を探したのが今回の導入のきっかけです。

導入前の検討内容

安定的に給食を提供するために、災害時でも事業継続を可能にする設備を検討

代表取締役社長 小宮 仁さま
代表取締役社長 小宮 仁さま

導入前のご検討事項について教えてください。

私たちは給食センターを運営しており、病院や福祉施設が主なお客様になります。そのため、どんな状況においても安定的に給食を提供するのが使命であり、重要なポイントです。災害などが発生した際にも「事業を継続できる」という点が第一に優先されるべきと考えています。
ガス・電気・水というインフラ部分が止まってしまうと給食をつくることが不可能になりますので、そのリスクへの対策を新工場でもしっかりと講じたいと考え、各種設備の導入検討を進めました。

Daigasエナジーからのご提案内容

お客さまの課題を丸ごと解決するユーティリティ設備一式を、初期投資ゼロのエネルギーサービスでご提案

今回の新工場の建設にあたり、第一食品さまからは主に「負荷変動に対応できる排水処理」「臭気の拡散防止」「災害時の事業継続」の3つのご要望がありました。
「負荷変動に対応できる排水処理」という点に対しては、既存工場での排水を採取して水質を分析した上で、新工場での生産計画に応じて最適な条件を設定。水槽容積あたりの微生物の保持量を多くできる仕組みの、高効率な排水処理設備を選定させて頂きました。
それにより、安定した水質の処理水を下水放流することができ、排水由来の産業廃棄物ゼロを実現するとともに、産業廃棄物の処理に伴うCO2排出量を削減することができました。
また、「臭気の拡散防止」への対策として密閉型の排水処理槽を選定し、さらに脱臭装置を設けることで臭気を最大限抑えることができています。

調整槽
調整槽
排水処理設備
排水処理設備
脱臭装置
脱臭装置

新工場用地では井水(井戸水)が利用できなかったため、高価な上水での製造を計画されていましたが、上水に加えて一部、工水の引込をご提案しました。工水を浄化して使用することによってコスト削減はもちろんのこと、水の調達時に上水と工水の二元化をはかることができ、「災害時の事業継続」に寄与しています。

工水処理設備
工水処理設備

水処理設備の他にも、電力使用量を削減する高効率なガス空調(ガスヒーポン)やガスコージェネレーションをご提案することで、コスト削減とCO2排出量削減につながっています。ガスコージェネレーションは停電対応型をご採用いただき、災害時でも材料の冷蔵庫への給電が可能なシステムになっています。

ガスヒーポン
ガスヒーポン
停電対応ガスコージェネレーション
停電対応ガスコージェネレーション

これらのユーティリティ設備一式について、初期投資ゼロのエネルギーサービスでの導入をご提案しました。生産食数が工場立ち上がりから本格稼働まで段階的に変わることから、設備の稼働にあわせて料金が増減する、従量料金メニューをご利用いただきました。エネルギーサービスにより初期投資を抑えることで、新工場建設時の予算を製造ラインに投下していただくことが可能になりました。

導入後の成果

水質と臭気の課題は問題なく解決
インフラの対応窓口の一本化で設備管理業務の負担も低減

導入後の成果について教えてください。

水質や臭気対策などの性能に関しては申し分なく、非常に安心しています。新工場において出ていく水が綺麗で安定した水質になっています。
また、今回のような規模のユーティリティ設備を自社で管理するのはとても大変です。以前の工場と新工場とでは規模が違いますので簡単に比較はできませんが、仮に自社で管理した場合、常時対応する専任スタッフが1〜2名は必要だと思います。新工場ではメンテナンス対応もエネルギーサービスに含まれているため、当社としては専任スタッフがつきっきりで対応にあたる必要もなくとても助かっています。
ガス・電気・水道というのは重要なインフラですので、そこを一つの窓口でお任せできるようになった点もよかったと感じています。Daigasエナジーさんは技術的にも信頼できますし、対応も早いので安心しています。

導入の決め手

長期の事業計画を見据えたエネルギーサービスと、BCPを考慮した提案内容が決め手

Daigasエナジーにご依頼いただいた理由を教えてください。

工場は一度建てると30年は動かし続けるものです。そのため、長期の事業計画を立てることになります。今回ご提案いただいたエネルギーサービスは、費用対効果をしっかりと数字で測ることができ、長期の事業計画を見据えて導入できる点は大きなメリットだと感じました。
また、災害時にも事業継続できるという点を最重視していましたので、DaigasエナジーさんがBCPの観点からも最適な設備・設計をご提案くださり、その後の運用に関しても詳細に計画を立ててくださったことも決め手になりました。
検討を進める中で、実際に同様の排水処理設備を導入されている現場を見学させていただき、より具体的に導入後のイメージを持てたことも採用の後押しになったと感じています。

今後の展望とDaigasエナジーへの期待

カーボンニュートラルやフードロス削減など、環境負荷の低減に資する提案を期待

今後の展望やDaigasエナジーに期待することについて教えてください。

今後はカーボンニュートラルに向けた取り組みをはじめとした「環境への配慮」は非常に大事になってきます。Daigasエナジーさんには、省エネを実現するサービスなども含めて包括的にお任せできる仕組みをご提案いただきたいと考えています。
また、フードロスについても課題の1つと捉えていますので、フードロス削減につながるようなご提案もいただけると有難いです。

今後の展望をお話しいただく小宮さま

担当者からひと言

大阪産業エネルギー営業部 伊香 慶彦

今回、お客さまの課題であった排水処理能力や臭気対策について、水質分析や水量シミュレーションを実施し、「負荷変動への対応」と「密閉型で臭気の拡散防止」が両立できる排水処理設備をご提案しました。また、コスト面においては、工水利用による水道代の削減や、電力と熱を最大限活用できるコージェネレーションやデマンドカット効果のある高効率ガス空調、初期投資を抑制できるエネルギーサービスのご提案により、経済的なメリットも評価いただいたと感じています。
今後もお客さまのご要望に迅速にお応えし、さらなる省CO2・廃棄物削減といった環境に貢献できるご提案を行っていきたいと考えています。

大阪産業エネルギー営業部 伊香 慶彦

お客さまのご紹介

株式会社第一食品 本社工場さま

株式会社第一食品 本社工場さま

1972年の創業以来、病院・福祉施設・学校・事業所などに向けた給食委託サービスを提供している株式会社第一食品。2000年には日本初の完全院外調理システムを稼動し、世界各国で特許を取得している。セントラルキッチンで調理、盛り付け、洗浄まで行う福祉施設向けの配食サービス「ぐっどはあと」や、災害対策として独自開発した常温で長期保存できる非常食「ストックパック」など、新たなサービス・商品も生み出し続けている。2020年10月に東大阪市に新本社工場が完成し、本社を大阪市生野区から東大阪市へと移転した。

所在地
大阪府東大阪市高井田本通4丁目1番5号
お客さまホームページ
https://www.dfcn.co.jp/

※掲載の情報は取材当時(2024年1月)のものです。

この事例で導入いただいた製品・サービス

  • 水処理ソリューション D-Aqua
  • ジェネライト
  • ガスヒーポン
  • エネルギーサービス

下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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