リンテック株式会社 土居加工工場さま

コージェネやD-Solar、D-Greenなどの導入により、CO2排出量を大幅に削減

リンテック株式会社 土居加工工場さま

リンテック株式会社さまは粘着製品分野におけるリーディングカンパニーであり、独自の粘着技術でシール・ラベル素材や屋外サイン、内装材から半導体、液晶分野まで幅広い製品を提供しています。特殊紙や剥離紙・剥離フィルムなどを製造する土居加工工場では、2018年に停電対応コージェネレーションとナチュラルチラーを導入されました。さらに2023年には新棟建設を含む生産設備の増設に伴い、コージェネレーションの増設、およびジェネリンク(※1)を導入され、さらにD-Solar(※2)とD-Green(※3)の導入、J−クレジットの購入もされています。その結果、大幅なCO2排出量の削減やエネルギーコストの削減を実現されました。
今回は、工場に関わる設備の導入や更新、修繕を担当されている工務部 原動課長 兼 環境課長の石川 靖士さま、係長の押条 真一さま、山本 栞さまにお話を伺いました。

  • ※1 排熱投入型ナチュラルチラー
  • ※2 太陽光発電サービス
  • ※3 再生可能エネルギー100%の電気料金メニュー

導入によるメリット

  • コージェネレーション・ジェネリンク・D-Solar・D-Green・J−クレジットの導入により、CO2排出量を大幅に削減
  • 電力ピークカットとコージェネ排熱利用による省エネで、エネルギーコストを大幅削減
  • BCP強化により、非常時も生産ラインの重要負荷への給電が可能に

2018年のコージェネレーション導入について

CO2や電気代の削減、BCP強化の課題をコージェネ導入で解決

2018年の停電対応コージェネレーション導入前に抱えられていた課題について教えてください。

土居加工工場は多くのエネルギーを使用する基幹工場であり、工場全体の省エネ・省CO2やエネルギーコスト削減の最適な方法を模索していました。油燃料のディーゼル発電設備を保有していましたが、デマンド削減のためスポット的な運用となっており、構内自家発比率の低さも課題でした。加えて、BCP強化も進めたいと考えていました。

工務部 原動課長 兼 環境課長 石川 靖士さま
工務部 原動課長 兼 環境課長 石川 靖士さま
コージェネレーション1000kW(2台)
コージェネレーション1000kW(2台)

導入いただいた経緯を教えてください。

省エネの推進と構内自家発比率向上の観点から、ディーゼル発電を廃止しLNGを燃料とするコージェネレーションの導入を検討しました。土居加工工場は電気の負荷が高いため、電力のピークカットにより電気代を削減したい、との思いもありました。BCP対策も考慮して停電対応仕様のコージェネレーション1000kWを2台導入しました。

導入による成果を教えてください。

電力デマンドが大幅に下がり、電気代の削減につながりました。コージェネレーションの排熱は既設のプロセス蒸気ラインや空調設備に利用し、省エネ・省CO2を実現しています。
導入後にブラックアウトなどの事象はまだ発生していませんが、非常時にも生産ラインの重要負荷等に給電を継続できる体制が整いました。

工務部 原動課 係長 押条 真一さま
工務部 原動課 係長 押条 真一さま

2023年の導入前の課題

新棟建設や電気料金値上げでCO2排出量や電気代の増加が課題に

工務部 原動課 山本 栞さま
工務部 原動課 山本 栞さま

2023年にコージェネレーションの増設やD-Solar・D-Green・J−クレジットを導入していただいた背景について教えてください。

土居加工工場では2025年まで段階的に新棟建設を含む生産設備の大幅な増強を行います。設備増設に伴い電気使用量も増える中、電力会社からの値上げの通知もあり、電気代削減が喫緊の課題となりました。また、リンテックグループでは、CO2排出量の削減目標を「2030年までに2013年度比で50%以上」と設定しており、生産設備増設でCO2排出量も必然的に増大する中、今まで以上にCO2削減のための対策も必要でした。

2023年の導入前の検討内容

コージェネレーションの騒音対策とCO2排出量削減に向けた様々な施策を検討

コージェネレーション増設に至るまでの流れを教えてください。

2018年のコージェネレーション導入により、電力ピークカットや省エネのメリットは実感していたため、1000kW1台の増設を決定しました。それに伴いLNGサテライトを1本増設することも決まりました。課題となったのは厳しい騒音規制値(45dB)を遵守するための防音対策でした。Daigasエナジーのご担当者様が、設置場所の検討や騒音シミュレーションを行った上でコストを最小限に抑えた提案をしてくださり、それを採用しました。

 増設したコージェネレーション1000kW
増設したコージェネレーション1000kW
LNGサテライト設備
LNGサテライト設備

D-Solar・D-Green・J−クレジット導入に至るまでの流れを教えてください。

太陽光発電は2013年頃より、建屋の屋根に可能な限り設置していました。今回新棟を建設するにあたり、新棟の屋根にも太陽光発電を設置して、CO2排出量や電気代の削減を進めたいとの思いがありました。まずは設備導入や省エネでCO2削減を進め、それでも削減しきれないところは再エネ電気やJ−クレジットで賄うことを考えていました。
電気については、2022年より電力会社から63%の再エネ電気を含む電気を購入していましたが、電気料金の値上げ通知を受け、他の電力会社への切り換えを検討しました。

2023年の導入後の成果

CO2排出量を大幅に削減し、自社のCO2排出量削減目標に大きく前進

コージェネレーション・ジェネリンク・D-Solar・D-Green・J−クレジット導入による成果を教えてください。

コージェネレーションの増設により新棟で使用する電力のピークカット効果が期待できますし、今回は新棟の空調用にジェネリンク(廃熱投入型ナチュラルチラー)も採用し、コージェネの排熱利用率を上げることで更なる省エネ・省CO2につながると考えています。 また、LNGサテライトを1本増設したことでLNGローリーが2台対応となり、より効率的な受入が可能になって弊社社員の立ち合い作業の負担も軽減されました。

新棟の屋根にはD-Solar632kWを設置し、発電によって工場で使う電気の一部を賄っています。さらに、電力もDaigasエナジーの再エネ100%の電力メニューであるD-Greenに切り替えました。J−クレジットについては、新棟の増設で増加するCO2を相殺できるようにと考えて購入を決断しました。
これらの導入により、CO2排出量を大幅に削減でき、CO2削減目標達成まであと一歩、というところまできています。

D-Solar 632kW
D-Solar 632kW

2023年の導入の決め手について

ピークカットによる電気代削減や環境負荷の低減、工場内の作業環境の向上が決め手

2023年のコージェネレーション増設の決め手を教えてください。

ジェネリンクや太陽光発電と併せての電力ピークカットが大きなポイントでした。これまではデマンドオーバーしないように、夏場は施設をくまなく巡回して空調温度を上げたり、照明を消したりと作業員の負担もありましたが、今後は基本的にデマンドオーバーは発生しないのではと期待しています。2018年に導入したコージェネレーションのメンテナンスやアフターフォローなどを一括管理していただいている実績があったため、今回もDaigasエナジーさんにご協力をお願いしました。

D-Solar・D-Green・J−クレジット導入についても、Daigasエナジーにご依頼いただいた理由を教えてください。

太陽光発電については、複数の会社にご提案いただきました。その中で、最も多く発電できる設置方法をご提案いただいたのがDaigasエナジーさんでした。
D-Greenについては、再エネ100%の電気であり、私たちがこれまで電力会社から購入していた再エネ63%の電力に比べて再エネ比率がより高く、環境負荷も低減できるため採用を決めました。

導入の決め手についてお話いただくリンテックのみなさま

今後の展望

カーボンニュートラル工場を目指し、太陽光発電を増設予定

Daigasエナジーに期待することや今後の展望について教えてください。

今回の導入に際しては、弊社の要望に対しスピーディにご対応いただきました。今後もCO2削減やコスト削減につながる多様なソリューションをご提案いただきたいと思っています。
今後については、工場敷地内の空きスペースにD-Solar 899kWを新たに設置すべく検討を進めているところです。また、土居加工工場と同じ愛媛県内にある三島工場でも、CO2排出の削減をさらに進めていきたいと考えています。

今後の展望をお伺いするDaigasエナジー担当者

担当者からひと言

広域営業部 永田 一真

リンテックさまはグループ全体で「2030年までに2013年度比で50%以上」という高いCO2削減目標を掲げられています。今回の土居加工工場さまの新棟建設に際しては、その目標達成に貢献できるよう、コージェネ増設や太陽光発電などのソリューションをエネルギーサービスも活用してご提案しご採用いただきました。
また、お客さまの課題であった省力化や設備の騒音対策などに対しても、お客さまとともに知恵を絞り、最適なご提案をできる限りスピーディにできるよう心掛けました。
土居加工工場さまが将来的にカーボンニュートラル工場になるように、今後もインパクトのあるご提案と、迅速かつ丁寧な対応を行っていきます。

広域営業部 永田 一真

お客さまのご紹介

リンテック株式会社 土居加工工場さま

リンテック株式会社 土居加工工場さま

1927年の創業以来、社是「至誠と創造」を基に、時代を先取りした技術や製品の開発を行ってきたリンテック株式会社。現在は、粘着素材、粘着関連機器、特殊紙、剥離紙・剥離フィルムを主力製品とし、これらの製造開発にあたってはLCA(※)を考慮して環境配慮への取り組みにも注力している。土居加工工場と埼玉県の熊谷工場では現在、積層セラミックコンデンサの製造工程に欠かせないプロセス関連テープの生産設備を大幅増強している。

※Life Cycle Assessment:製品のライフサイクル全体を通じて投入されるエネルギーや水、原材料の量や排出されるCO2、有害化学物質などを算出し、環境への影響を総合的に評価する手法。

所在地
愛媛県四国中央市土居町藤原7-1-1
お客さまホームページ
https://www.lintec.co.jp/

この事例で導入いただいた製品・サービス

  • 再生可能エネルギー100%の電気料金メニュー D-Green
  • 太陽光発電サービス D-Solar
  • コージェネレーション
  • ナチュラルチラー
  • エネルギーサービス
  • LNGサテライト供給

下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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