BCP強化と環境性向上を目指して停電対応コージェネレーション導入
災害時の当該ビル従事者のための一時避難場所への給電を確保

オービック御堂筋ビルさまは、地上25階建ての大型複合ビルで、多目的ホールや貸会議室、オフィスフロアに加え、15階からはホテルフロアとなる御堂筋最大級の新ビジネス拠点です。2020年1月の竣工に際し、停電対応コージェネレーションや空調設備などを導入いただきました。
これらのエネルギーシステムにより、平常時は電力のピークカットや空調への廃熱の有効利用により省エネ・省CO₂を実現し、災害時には帰宅が困難な当該ビル従事者のための一時避難場所に対し電力供給を継続できるシステムを構築しています。

導入の背景

BCP・省エネ・省CO₂の観点からコージェネレーション導入を提案

ビルの建設計画を進めるにあたり、オービックさまは大阪市とも協議を重ねられ、その中でBCD（業務継続地区）の構築を可能にする「コージェネレーション」というキーワードが提示されたといいます。また、ビルのある御堂筋では、有志企業などによる「御堂筋まちづくりネットワーク」がまちづくり活動を推進し、大阪都心部で最も安全・安心なエリアとすることを目標にエリア防災の取り組みを進めています。オービックさまも、防災面について「安心・安全なビルにしたい」との想いをお持ちでした。
そうした背景からDaigasエナジーでは、BCP（事業継続計画）強化と省エネを両立するコージェネレーションをご提案させていただきました。

導入前の検討内容

東日本大震災でも安定供給できた中圧ガス供給を選択

ご提案に際しては、各設備を導入した場合のコストや省エネ性、環境性などについて詳細なデータや資料をご案内して、ご検討いただきました。コージェネレーションのガス供給には、東日本大震災や阪神淡路大震災の際にも安定供給ができた実績がある中圧ガス供給をご提案しました。
設計施工をご担当されたゼネコンさまも交え、設備容量や空調への廃熱利用など細かな仕様について議論していきました。
その結果、共用部には停電対応コージェネレーション450kW、商業エリアの空調にはジェネリンク（廃熱投入型ナチュラルチラー）526.5kW×2台と温水ボイラー465kW×2台、ホテル占有部には停電対応ジェネライト25kW×4台とガスヒーポン（GHP）443.5kWを設置いただくことになりました。

導入後の成果

電力のピークカットにより契約電力の大幅抑制に寄与
大阪市の建築物環境配慮制度で最高ランクも取得

オービックさまとしての導入のメリットは、電力のピークカットが非常に大きく、それにより建物の契約電力を大幅に抑制することができることや、コージェネレーションの廃熱を空調（ジェネリンク）に投入して有効活用することで省エネ・省CO₂にもつながっていると考えます。
災害時には帰宅が困難な当該ビル従事者のための一時避難場所（面積約500m²）の照明・換気・空調設備への電力供給を、72時間（非常用電源として確保が望ましいとされる目安）を超えて継続的に確保できるシステムを構築できていると考えます。
また、オービック御堂筋ビルさまは、建築物の総合的な環境性能を評価する大阪市の建築物環境配慮制度「CASBEE大阪」にて、最高ランクの「S」を取得されました。

お客さまからのコメント

環境配慮と地域貢献が両立できる点と、担当者の熱意が決め手
ビルの価値向上につながる提案や交流の機会も提供してほしい

今回導入いただいた決め手や、今後Daigasエナジーに期待することを教えてください。

BCPや環境性、コストメリットなどの観点からと、根拠に基づいた試算を提示して細かいところまで踏み込んだ提案をしてくれたDaigasエナジーの担当者さんの熱意も含め、総合的に判断して導入を決めました。
コージェネレーションシステムは365日24時間の遠隔監視サービスがあるため安心できます。また、現状大きなトラブルもありません。Daigasエナジーさんには、今後も引き続き細やかなご対応をお願いできればと思います。
今後期待することは、ビルの価値をさらに高めるためのご提案をいただきたいです。また、Daigasエナジーさんの顧客同士での交流会等を通じて情報交換をすることで、各ビルの設備改善やサービスを検討するきっかけになるため、そのような機会もぜひ設けて頂きたいと思います。既存のビルも含めて顧客同士が交流し、互いに高め合って各ビルの価値向上につなげられれば、これ以上に素晴らしいことはありません。