導入機器
南禅寺の茶屋として発祥し、約450年続く歴史の中で多くの要人・文化人をお迎えしてきた「瓢亭」さま。茶屋の名残である瓢箪を描いた小旗、床机にのせた煙草盆、柱に掛けたわらじなど、時の流れとは無縁の風情ある佇まい。その伝統を継承する一方で、2015年の夏には過去に例がないほどの大規模な厨房改革が行なわれました。空調や内装もすべて一新し、最新のガススチームコンベクションオーブンを2台導入。改修プランづくりから竣工まで1年以上の月日を掛け、綿密な計画のもとに待望の厨房が誕生しました。
草庵の趣きが漂う「瓢亭」さまは建築物として文化的価値が高く、厨房の改修にも並々ならぬ配慮が必要でした。その重責を担ったのが15代目当主高橋義弘さまです。数寄屋建築で名高い京都の老舗工務店が設計・施工を手掛け、機器の導入や設置に関しては大阪ガスの厨房相談室が提案して、一丸となって取り組みました。高橋さまが目指すのは、食材の鮮度を守り、料理のクオリティを最大限に高め、料理人が料理に集中できる快適な環境の厨房。そのためには最新の厨房機器を導入し、そのメリットを積極的に活かしたいと考えておられたとか。ガススチームコンベクションオーブンは料理業界で評価の高いラショナル製を指名され、ガス炊飯器は涼厨仕様を選択。時間のロスも減り、快適性と効率が格段に高まったと満足されています。
「ガスのスチコンは大量の料理を一気に仕上げて、ムラがない。計画的に調理できて、絶妙の焼き具合やしっとりとした仕上がりもいい。細かい調整もできるし本当に賢い機器ですね」仕出しの注文も多い「瓢亭」さまでは、料理人の細やかな気遣いと工夫に加え、スチコンの導入でずいぶん作業がスムーズになったと喜ばれます。「ただし、高機能な機器に甘えるだけではいけません。今までと同様に料理の仕上がりを厳しく吟味し、確認を怠らないようにしなければ」といっそう手綱を引き締める高橋さま。熱源としてのガスの魅力は対流の良さにあると言い、料理人の機微で炎を操作できるガス火は日本料理に最適とのこと。瓢亭さまゆかりの瓢亭玉子や鉄鍋で炊く朝がゆにもガス火が活躍しています。若き当主の心意気に応える新厨房。老舗料亭の進化にますます目が離せません。
ガススチームコンベクションオーブン
(1/1サイズ×6枚機種の2段積設置)
ガス炊飯器(涼厨)
鋳物ガスコンロ
瓢亭/本店
日本を代表する茶懐石の老舗料亭。古くは頼山陽をはじめ文人墨客が訪れ、国内外の賓客を多くお迎えする。南禅寺門前の茶屋を営む当時から参拝客に提供していた煮抜き玉子は「瓢亭玉子」と呼ばれる名物に。また京都の旦那衆に愛されて広まった「朝がゆ」も有名。別館では松花堂弁当などもご用意。仕出し料理も人気が高い。