導入機器
名物「手をけ弁当」、スフレ専門店「六盛茶庭」、創作「王朝料理」などの新メニュー開発。代々の創意を重ねながら、昭和63年には先を見越し、店を増築・改修。大広間から個室まで多様な客間を擁することで、さまざまな会席に利用され、今日の繁栄につながっています。大改修にあわせ、厨房も拡充されました。なにしろ、客間の席数を足していけば、300を超えるのです。その規模に見合うような態勢が整えられているのでした。
最も広いのが、厨房1。火入れのともなう調理を集約させた、メインキッチンです。およそ幅7m×奥行き16m。壁と天井がステンレスで一体型に覆われ、加熱機器は周囲の壁に沿って並べられています。熱源は、すべてガス。それも、レンジではなく、台の上にコンロを直に置いただけの質実剛健さ。壁にはガス管が14口あり、それぞれにつながる単体のコンロを並べているのです。深い鍋用に低く据えられた大型コンロは、計7台。その他、赤外線グリラー(上火用)、涼厨対応になったフライヤーが2台、引き出し式の大型蒸し器という構成です。「私たちは火加減を見て、目安を覚えるように鍛えられましたから、ガスでないと料理できません」と堀場さま。
隣は、盛り付けと配膳のための厨房2です。「手をけ弁当」の桶も収納されています。桶を並べ、料理を盛り付けていくのですから、他の料理用とは別に、相応のスペースが確保されているのでした。さらに、厨房1と階段でつながる地下階に、厨房3があります。こちらは、下拵え専用で、ガススチームコンベクションオーブンがフル稼働。また、店舗には「ガスマイクロコージェネレーションシステム」を導入されています。都市ガスを店舗内で電気エネルギーに換え、同時に発生する熱エネルギーを空調や給湯などに利用するシステムです。
熱需要の多い施設には、効率の良いガスの使い方になり、料理と経営、現代の料亭には、バランス感覚も必要と納得です。
ガス寸胴レンジ
ガス赤外線グリラー
ガスフライヤー
ガス蒸し器
ガス鋳物コンロ
ガススチームコンベクションオーブン
京料理「六盛」
2014年に創業115周年をむかえる老舗料亭。客間の席数を足していけば、300を超えるほど。大広間から個室まで多様な客間を擁することで、さまざまな会席に利用できます。